はじめに
食品工場において、冷凍工程は「品質」と「利益」を左右する重要な関門です。
急速冷凍機を導入したものの、「解凍したパンがパサパサして美味しくない」「ハンバーグを冷凍すると、表面が白く乾燥してしまう(冷凍焼け)」といった品質の悩みをお持ちではありませんか?
さらに深刻なのが「重量の目減り(乾燥ロス)」です。例えば、100gで仕込んだ生地が、冷凍機から出てくると96gに減っている。たかが数グラムの違いに見えますが、年間数百トンを生産する工場にとって、この数%の「歩留まりの悪化」は莫大な利益損失を意味します。
実は、この「品質低下」と「重量減」の最大の原因は、冷凍機の「風」にあります。
本記事では、食品の水分を奪うメカニズムと、それを防ぐスパイラルフリーザーの「風量制御技術」について解説します。
なぜ冷凍すると水分が奪われ、重量が減るのか?

「冷たい庫内に入れているだけなのに、なぜ水分が減るのか?」と疑問に思うかもしれません。これは「昇華(しょうか)」という物理現象によるものです。
冷気が食品の水分を「持ち去る」
冷凍機の中を循環する冷風は、非常に乾燥しています。この乾燥した冷風が、まだ温かく水分をたっぷり含んだ食品の表面に吹き付けられると、食品の水分が蒸発し、冷風の中に奪い取られてしまいます。
これが「パサつき」や「冷凍焼け(表面の白化)」の原因であり、失われた水分の重さだけ、製品の重量が減ってしまう(乾燥ロス)のです。
従来型フリーザーの弱点:「ただ強い風」を当てている

食品を素早く凍らせる(最大氷結晶生成帯を短時間で通過させる)ためには、冷たい風を高速で当てる必要があります。
しかし、従来のトンネルフリーザーや旧型のスパイラルフリーザーの多くは、「入口から出口まで、常にフルパワーの強風を当て続ける」という大雑把な設計になっていました。
確かに早く凍りますが、これでは扇風機の強風の前に濡れタオルを置いているようなもので、凍結が完了する前に食品表面の水分がどんどん奪われてしまいます。特にパン生地、麺類、加熱直後の総菜など、デリケートな水分保持が求められる製品においては致命的です。
乾燥を防ぐ!高岡冷機の「風量制御技術」
「早く凍らせたい、でも風を当てすぎると乾燥する」
このジレンマを解決するのが、インバータファンを用いた「風量(風速)の最適制御」です。高岡冷機のオーダーメイド・スパイラルフリーザーでは、製品の特性に合わせて「風の当て方」を緻密にコントロールします。
ステップ1:表面を一気に凍らせて「殻」を作る
庫内に入った直後の食品に対しては、強めの冷風をピンポイントで当て、表面だけを瞬時に凍結(クラスト化)させます。
表面に薄い「氷のバリア(殻)」を作ることで、食品内部の水分が外へ逃げるのを物理的にシャットアウトします。
ステップ2:優しい風で内部まで凍らせる
表面のバリアができた後は、インバータ制御によってファンの回転数を落とし、風速を和らげます。
強風で表面の水分を飛ばすのではなく、庫内の冷気そのもので食品の芯温をじっくりと下げていきます。スパイラルフリーザーはタワー構造のため、下段(入口側)と上段(出口側)で温度や風量のゾーンを分けやすく、こうした繊細なコントロールを得意としています。
水分を残す=「美味しさ」と「利益」を残す
風量制御によって乾燥ロスを数%改善できた場合、工場には2つの大きなメリットがもたらされます。
- 1. 品質向上(クレーム削減):解凍後も、出来立てのしっとり感やジューシーさが蘇ります。「味が落ちた」という顧客からの不満を解消できます。
- 2. 利益率の大幅改善:歩留まりが向上するため、同じ原材料費でより多くの(あるいは規定重量通りの)製品を出荷できるようになります。設備投資の回収期間を大幅に早める要素となります。
まとめ
御社の冷凍製品、風の当て方を変えてもっと美味しく、もっと利益を。
「冷凍だからパサパサするのは仕方ない」「乾燥ロスは必要悪だ」と諦めていませんか?
急速冷凍において、風は「強ければいい」というものではありません。製品ごとに最適な「風速・風向・温度」を導き出し、それを機械の設計に落とし込むエンジニアリング力が不可欠です。
現在お使いの冷凍機で「歩留まりが悪い」「冷凍焼けに悩んでいる」という品質管理・製造ご担当者様は、ぜひ一度高岡冷機にご相談ください。
製品をお預かりしての凍結テストで、「最適な風の当て方」と「導入後の改善データ」をご提示いたします。

